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おすすめ本の紹介文やエッセイ、絵、人物画、現代詩などを載せていきたいと思っています。

「檸檬 <れもん>」梶井基次郎 新潮文庫

梶井は宮沢賢治と比肩する童話的感性の持ち主だったと言っていいのですが、イマージュの鋭角的な強烈さでは賢治を上回っているように見えます。そうして、それが円満な童話的世界を破る裂け目となります。レモンの鮮烈な味と引き締まった造形美に爆発を見、美しい桜の木の下には動物たちの屍体が埋まっているのだと見る幻視力には、童話に安住することの難しい、都会的で苛立たしい、神経的に性急な血のさわぎが感じられるようです。それが、現実がそのまま童話的世界となる梶井独特の作品となります。梶井は賢治と同じ肺結核で、若年で世を去りました。


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