Hideのおすすめ本とエッセイと絵と詩などのブログ

おすすめ本やエッセイ、絵、現代詩などを載せていきたいと思っています。

「日本語練習帳」大野晋 岩波新書

大野晋は日本語学者ですが、その所論が学会の大勢からあまりにもかけ離れていたために、一時、学会からつまはじきされていたことがあります。この書は、研究者の著作としては珍しくベストセラーになったもので、日本語を問答方式によって、より深く理解する手助けをしてくれます。読み進むにつれて日本語の年輪が浮き彫りにされ、どの日本語も日本語の歴史や伝統を背負って生きていることに気付かされます。日本語をこよなく愛する人物によって書かれた名著です。


エッセイ 「バカ」は不治の病か

「バカ」とは足りない人間のことではなく、跳ぶ人間のことである。「利口」は跳ばない。危険であることを知っているからである。


自分を振り返って、自身をじつにバカだと思うのは、わたしだけではなかろう。
危険を冒さなければ、人生に意味が生じようがないのも、また、事実である。


バカにつける薬はない。自分を省みて、その通りだと思う。人生そのものがバカバカしくもあり、また、真実の意味に満ちていると思えるものだからである。


「俳句という遊び」小林恭二 岩波新書

「俳句の愉しみ」の姉妹編です。俳句は句会や吟行などをおこなって句作するというのが一番ですが、一人しずかに句作してみるというのも、また味のあるものです。どういう句が自分の好みなのか色々と句例を挙げて、読者にも句を選んでもらい自分の目の付け所を確かめてみるという工夫がなされています。読む者も思わず句作してみたくなり、十七文字の世界最短の詩の世界に誘ってくれます。ちなみに、著者自身の句は、好きこそものの上手なれで一向に構わないという趣です。本当に俳句好きらしい人の書いた本です。


「俳句の愉しみ ー句会の醍醐味ー」小林恭二 岩波新書

俳句の好きな著者が、みんなを俳句の世界に誘おうと筆を執ったのが本書です。著者は専門の俳人ではありませんが、句作や句会というものがいかに愉しいものであるかを、専門の俳人の家まで出向き、実際に句会を行い自身の体験をまとめました。そうして、できあがった本書はこの日本古来の文芸が、知らぬ間に人と人との間を結びつけ、俳句を通してその為人さえはっきり浮かび上がらせるものであることを痛感させるものになりました。絶好の俳句入門書です。


「色彩の心理学」金子隆芳 岩波新書

※<北海道地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます>


錯視現象や色彩の心理テストから筆を起こし、話はゲーテの色彩論にまで及んでいきます。ニュートン光学に由来する通常の色彩論とは、まるで違う色彩についての論述に、読者は少々戸惑いますが、色彩がいかに豊かな意味合いを担っているものであることに、改めて気付かされることになります。ゲーテの色彩論は、いわば、画家の目を拠りどころとした色彩についての本格的な科学的論考といってよいものですが、筆者は心理学者として、ゲーテの色彩論に準拠し、色彩の奥深い不思議な性質に迫ろうとします。豊富な図柄も魅力の一冊です。