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「イワン・デニーソヴィッチの一日」ソルジェニーツィン 新潮文庫

ソビエト連邦はすでに崩壊しましたが、この小説はそのソビエト連邦崩壊の立役者となった作家ソルジェニーツィンの処女作です。筆者は、ドストエフスキーとは違い、全くの無実の罪で当時のソ連の強制収容所へ十年間、囚人として監獄生活を送りました。そのために文学者の中には、この小説に「死の家の記録」に引き続くロシア近代小説の伝統を見る人もいます。確かに、「死の家の記録」と同じく、癒やされることなどほとんど考えられないような深い憂悶が紙背に隠されているただならぬ気配を感じさせる作品であることに異論はありませんが、この小説は「死の家の記録」とはまるで違った肌合いを持っていることも確かです。筆者は、イワン・デニーソヴィチの「ほとんど幸福とも言いたいような」異常な一日を語り、こうした一日が3652日あった。閏年のために2日のおまけがついたのだ、と言って物語を締め括ります。鳥肌が立つような平常心です。「イワン・デニーソヴィチの一日」は世界中で読まれ、多くの人々の共感を呼び、ソルジェニーツィンはその後、ノーベル文学賞を受賞しました。他にも数多くの作品があります。