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「楢山節考」深沢七郎 新潮文庫

著者畢生の代表作、小説「楢山節考」です。舞台は、どことも知れないもの深い貧しい山村です。主人公おりんばあさんは、なんでも食いそうな自分の健康できれいな歯が恥ずかしく、石臼にぶつけて自分の歯をガタガタに傷付けたりします。この村は、いつもの食物に事欠くほど貧しいのです。やがて、おりんばあさんが裏山に捨てられる日がやってきます。おりんばあさんは、村の掟に従い、息子に付き添われて、雪の降り出した裏山に捨てられます。読む者に痛切な感情を抱かせずにはいない、残酷ですが作中もっとも美しい場面です。筋金入りの人生糾問者正宗白鳥をして「人生の無限の興味を感じた」と言わせた現代日本文学の傑作です。