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閑話休題 昔言葉 <人生の墓場>

一時代前、結婚は人生の墓場という言葉があったが、最近の新入社員の黒づくめのスーツを見ていると、就職は人生の墓場であるかと思ってしまう。


さて、結婚難で、少子高齢化の時代となり、これは、どうした加減の現象かと問いたくなるところである。明治初期の頃、福沢諭吉は、結婚率の割合と米の相場が連動していることが分かったと経済学の成果を言っていたが、こうした現象は、そうした社会学の底辺から考えてみるのがよいかもしれない。


底辺とは、もし、こうした言葉がゆるしてもらえるなら、経済は、社会生理に他ならないからである。単なる生理現象を、記録する必要を人間は求めない。だからであろう、古典と呼ばれるものについては経済的な記述は、ほとんど見い出せない。 だが、資本主義経済の導入によって、経済はその面貌を一新させた、とても福沢の時代のような単純な顔をしていない。それが、実に厄介なところである。


生理は、自然現象と似ていて、日本式だがそのまま見守っていれば、落ち着くところに落ち着くものだが、そうは行かなくなった。これを社会病理とも社会変化とも捉えるのは自由だが、確実に分かっているのは、資本主義経済が奔馬のように暴れまくり、科学技術の進歩も相俟って、前がまるで見えない時代になったということである。


若い人に、前途洋々ってどういう意味かと問われたことがある。その若者は、中原中也の造語の前途茫洋しか知らなかった。詩人は時代を先取りするものである。


これも一時代前、孤独地獄という言葉があったが、今はそんな言葉も聞かれなくなった。孤独な心を持っているのが当たり前な時代になってしまったからである。


また、ある今どきの女の子のアイドルが、自宅にいるのを忘れて、「お家に帰りたい」と言った笑い話があるが、この話を聞いて、笑えない現代人も多いことだと思う。


そうした時代になった。その自覚がまず大事だろう。その自覚の深浅が、その人の進む方向を決めるように思えてならない。いつの時代でも、深いものは新しいのである。