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エッセイ きれぎれ草 7

 武は儒教の洗練を受けてその人格形成力を増したと言っていいが、武は侍という言葉が示す通り、君に仕えるのがその本分である。従って、その人格は表立って主張されることを嫌う。
 君に仕えるという現実の仕事の意味合いに、儒教は強固な足場を提供したのだが、その中で、作り上げられた人格は少しも分かり易くはならなかった。却って、教養として複雑になったのだが、人格という単純簡明なものの深化がより深まったとも言えるようだ。そのことが、彼らの生き方を一層魅力あるものにした。明治維新の傑物たちを思い返してみればいい。
 西郷には、キリスト教の本質さえ飲み込むほどの桁外れの度量がある。


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読書は、知己を得る一種の方法である。


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悟りは、自然の直中で行われるものである。


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生理的に嫌いだという感情は、一見取り付く島もないように見えるが、むしろ、容易くひっくり返ってしまうものである。微妙さを欠いた、単線的な心理上のメカニズムに過ぎないからである。


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人間は、人が望むほど筋の通ったものではない。筋を通さなければ気が済まないのは、一種の感傷主義である。