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エッセイ 理性という島の大建築

現代では、理性という島に近現代科学の大建築が建っている。ほとんど、世界を制覇する勢力だが、理性の島の周りには未だに茫漠とした霧堤が広がっている。霧堤とは、わたしの比喩ではなく、カントがその著書の中で、言っていた比喩である。


この建造物をバベルの塔に過ぎないというのは、見やすい理だが、現代のわれわれは、例外なくその住人であることを忘れてはなるまい。


ランボーは科学を新興貴族と呼んだ。この詩人の直観をわたしは尊重している。


科学は、物と物との関係においては、絶対的な知識を持っている。だから、驚くほど物を有効に活用できる。だが、物それ自体については、相変わらず沈黙したままである。けれども、われわれが本当に得たいと思っているのは、物それ自体の知に他ならないのではなかろうか。そうである。未だに理性の島の広大な周りには、霧堤が無辺際に広がっているのである。


そうであるとすると、次の新興貴族は何になるのだろうか?