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エッセイ 資本主義経済考2 <人狼と福の神>

資本主義経済が人狼的な性格を持っていることは、「資本論」が指摘した通りである。産業革命は、まず、自国の下層の人々に刃を剥いた。「女工哀史」はつとに有名だが、現在の日本でも、例えば、トラックの運転手に「雪が降ろうが、台風が来ようが延着は許さない。」と迫るところによく表れている。


だが、資本主義経済のこの人狼的な性格を強調しすぎると、私有財産の否定という極端な思想に走ってしまう。


もっと、よく見てみよう。日本が資本主義経済を導入したのは、つい最近のことである。このおかげで、日本に伝統的にあった農村の貧困が解消された。幼少の柳田国男を怯えさせた、神社の絵馬にその絵が奉納されていた、実母による口減らしのための嬰児殺しは、まだまだ盛んだった。日本の農村の貧困が解消されたのは、まさしく資本主義経済の導入による、その余慶に他ならない。


人狼的でありながら、また、福の神の面を持っているこの資本主義経済という世界的運動。この二律背反的な運動を、上手に手懐ける術を人々はまだ身につけていないようである。


追記:「進撃の巨人」というマンガがあるが、わたしは、あれは、資本主義経済の人狼的側面を思いっ切り強調して、その象徴として人食い巨人というものに仕立て上げたものだと思っている。(このアニメはわたしは粗筋しか知らないけれど)