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おすすめ本の紹介文やエッセイ、絵、人物画、現代詩などを載せていきたいと思っています。

「無罪」大岡昇平 新潮文庫

古今にわたる世界中の冤罪事件を集めた短篇集です。時を隔てて出てきた証拠によって、無罪であることがはっきりと証明された数々の事件が、短編小説のように綴られていきます。著者は、別の著作の結びで、「事件というものが起きなければ、悲劇は生まれない。それが二十世紀である。」という有名な言葉を残しています。この書では、冤罪による事件によって、人間性の深部があぶり出されてくる様が手に取るように見えてきます。冤罪に人間性を追求した傑作です。