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「傳記文学 初雁」森銑三 講談社学術文庫

森銑三は、図書館の司書を務めていました。博学多識の人で、特に日本の江戸時代を中心に、多くの優秀な文章を残しています。書中、鎖国の当時、遠く小笠原諸島の鳥島に漂着し、なんとしてでも、故国に帰りたいと祈願する人々の不屈の苦闘を描いた章などは、名篇です。著者は、なんの抵抗もなくその時代の中にスタスタと足を踏み入れることができる人で、著者の中で、実にはっきりと歴史が生かされているからなのでしょう。これは、稀有と言っていいことです。