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エッセイ 日本人と自然の不思議

日本は、夏は東南アジア諸国並みに暑く、冬は北欧の冬並みに寒い。また、日々の気温差が季節の変わり目には乱高下する。自然が厳しい国というだけでなく、自然災害は他の先進国と比べても、圧倒的に多い。地震、台風、豪雨、豪雪等々。


こうした国であるにもかかわらず、日本人は、ほかのどの国よりも、自然を愛でる。特に、季節を愛でるということにかけては、突出している。これは、自然の脅威もさることながら、自然の恵みも、他国と比べて、際立って豊かだということも関係しているのだろう。


このメリハリのある自然の有り様が、日本人の国民性に関係していることは、十分かんがえられることだろう。ウグイスは、元々南方の派手な色をした鳥だったのそうだが、日本のきびしい自然に馴致されて、あの渋い鶯色の鳥になったのだという。


北海道に住んでいた人が、名古屋に来て、名古屋の冬の寒さに驚いたという話がある。「名古屋は北海道よりも寒い。」と言うのである。北海道では、セントラルヒーティングが発達しているから、真冬でも暖かい部屋の中で、半シャツ短パンで、冷たいビールを飲む風習があるのだが、名古屋は暖房設備については貧寒そのものであるから、同じことをしたら、それこそ凍え死んでしまうことだろう。


昔は、薬缶を載せた火鉢で、今は、エアコンが一般的だと思われがちだが、空気が乾燥してしまう難点があって、火鉢に代わって、石油ストーブやガスストーブで暖を取るのが一般的な家庭の風景である。冬は確かにとても寒いのだが、だからと言って、北海道のようなセントラルヒーティングを持ち込もうとするような人は誰もいない。ビールを飲む代わりに味噌煮込みを食べるのである。


同じ愛知と言っても、尾張と三河とではまるで違う。尾張は浮薄な商人の国であり、三河は朴訥な百姓の国である。瀬戸は瀬戸で、地場産業の地で、また違うのである。これは、愛知に限ったことではなく、日本の至る所に見られる差異の現象なのだが、なべて、一丸として、日本なのである。思えば、不思議な国である。