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「明恵上人伝記」 講談社学術文庫

明恵上人は、鎌倉期の旧仏教華厳宗の名僧です。じつに不思議な伝説に富んだ人で、その無邪気極まりない人柄と相俟って、兼好も徒然草の中で、その逸話を取り上げていますし、明恵上人伝記は江戸時代にはベストセラーになっています。屋根裏の蛇が鳥を襲おうとしているのを神通力で分かってしまったり、客と話していて、一昼夜経ってしまったことも気付かず、今、訪ねてきたばかりのように茶を出したりとずば抜けた精神力の持ち主でした。現代の最も疑い深い実証主義的研究者さえ、太鼓判を押して一生不犯であったことを認める清僧でした。本書で、その類い稀な為人に触れてみてください。