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おすすめ本の紹介文やエッセイ、絵、人物画、現代詩などを載せていきたいと思っています。

「海辺のカフカ」村上春樹 新潮文庫

15才の少年が主人公です。猫と話せる中田さんも忘れがたい副主人公です。村上の文体には明るさがあります。これは、村上の確固とした人柄から直に来ているもののように感じられます。この「海辺のカフカ」では、フロイトやユングの深層心理学から得られた知見を十分に活用し、それを間然とすることのない物語に熟なして作り上げています。少年と中田さんの二つの物語が同時進行しますが、最後にそれが、古代文様の二匹のトカゲの輪の比喩として結ばれるくだりは見事です。