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「ぼくならこう考える」吉本隆明 講談社文庫

戦後思想を代表する著者が、晩年、若い人に向けて書いたエッセーです。いわゆる処世法と言っていいものですが、世にいう処世術とはひと味違います。吉本の長年に渡って、戦後思想に心を砕いてきた思想家としての裏付けがあるからでしょう。雅俗が奇妙に混交する著者の思想が、ようやく晩年になって、得心のいく表現法を見出した感があります。ここで、一人の人間が確かに自分のかんがえを、自分のことばで語っていると強く思わせるものがあります。いわゆる在野の知識人たちには、非常に人気のあった戦後思想家のひとりでした。