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エッセイ 病院というところ

ルソーの「エミール」にはこんなことが書かれている。「病院は病気を治すところではなく、病気をつくるところである」と。


現代医学の発達は目覚ましいから、現代では一概に、このルソーの言葉通りという訳にはいかないかもしれないが、未だに、ある真理を内包している言葉である。


わたしと同じくらいの年代の人は、およそ必ずと言っていいほど、歯に銀歯か金歯が一本以上あるはずである。これは学校指定保険医の名目でやって来た歯医者が、放って置けば、唾液に含まれるカルシュウム成分のおかげで、再生するはずの歯を少し虫歯になったという理由で、削って余計なことをしたからである。今の子は、銀歯や金歯をしている子はほとんどいない。


ただ、当時の医学会では、歯は少しでも虫歯になったら、再生しないというのが常識だった。かくの如く、医学の常識、特に絶対といわれている常識は、ほとんど疑ってかかってもいいとわたしは思っている。


早期発見早期治療という現在の医学界では、まったくの常識になってしまっていることも、疑ってみて差し支えないと思っている。


わたしの母は一時期リュウマチを病み、歩けないほどの症状だったが、母は、病院の嫌いな慎重な性格の人で、自分で立って歩けるようになってから、ようやく病院に行った。医師からは、「ああ、リュウマチが治りかけていますね」と言われたものである。もし、早期に病院にかかっていたら、自己免疫力が正常に働かず、重いリュウマチの症状になって今でも苦しんでいたことは、容易に察せられる。現在の母は、リュウマチなどどこ吹く風である。


現今、乳がん患者が増加しているそうだが、乳がんとなる原因物質の摂取が増えたわけではない。乳がんの検診率が増えたのである。あの小林麻央さんが、検診オタクと言ってよいほど、よく病院に行って、隅から隅まで調べてもらっていたことをかんがえてほしい。


「病は気から」という言葉は、決して古めかしい、今となっては、間違いと思われているような言葉ではない。


そして、病院には、医師としての権威を振りかざし、患者を却って、態々、傷めつけるような医師がいるものである。わたしも、そういう医師としての権威を振りかざす医者に出会ったことがある。もう二度と行きはしないが。名の通ったような大病院に、何故、VIPと呼ばれるような人は近づかずに、他の病院を選ぶのかよく考えてもらいたいところである。


ルソーは、至極まともなことを言ったまでなのである。