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エッセイ シンクロニシティ

「共時性、同時性」などと訳されるが、今ではユング流に「因果的には説明できないが、意味のある偶然の一致」と訳される語で、平たく日本語で言えば「縁」である。


ユングの考えの土台となっているのは儒教の「易経」で、縁は仏教用語だが、この東洋思想両者に共通する、事象がシンクロナイズするという現象は、西洋の学問の枠組みからは、その埒外に置かれることになった。


いわゆる実験による再現性が不可能という理由にも拠るが、背後に一神教を構える西洋においては、それは神の領域での出来事であって、人間が直接それに触れることを、忌避する根強い慣習があったことを忘れてはならないだろう。


日本には「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉があるが、易経を深く学んだ西洋の学者は、この言葉は分らぬと言う。言わば、易経の言葉を神の託宣扱いしてしまうのである。


占いは魔女狩りと深い関係を持っている。西洋占星術と魔女狩りは表裏一体のものである。


今でも、あり得ない的中率を掲げて、占いを商売にしているものがいるが、本居宣長の言葉を引こう。「占いは六七割は当たるものだが、当たる当たらないということはさして大きなことではない。そういうものに心を砕いていてはいけない。」短い言葉だが、これは的中率から言っても、占いというものをよくよく知った人の言葉である。


シンクロニシティという現象は、確かにあると言えるものであるが、これは自分のものとすることは、元々出来ない相談のものであると心得て置くことは、重要なことのように思える。